2016年1月7日木曜日

海外で髪を切る100の方法

1か月以上前のことになるが、散髪に行った。

何種類かのコースが紙に貼りだしてあって、長めでと注文すると
「EUROPIAN CUT 10GHS(ガーナセディ 日本円で約350円)」がそれに相当するようだった。

しかし、担当者はおもむろにバリカンを取り出したので、あわててそれを制しハサミで切ってもらったが、それは失敗だった。

ガーナ男性は、丸刈りが最も多く、他には周りを短くして上の方と前髪だけを少し長めにしていたりする髪型が大半を占める。

全ての髪の毛をハサミで切るという経験がなかったのかもしれない。
少なくとも、縮れておらずそれなりの長さのある髪の毛を切るのは初めての経験だったはずだ。
ハサミの切れ味が悪いこともあって、非常に切りづらそうだった。

いきなりざっくり、かなり大胆に長かった箇所を削がれてしまい、「あっ!」と思わず間の抜けた声を発してしまった。

そかし、その後は植木を手入れするように、ちまちまと少し切っては飛び出た部分を修正していったため、更に全体の短さに追い打ちをかけた。

おそらくカットのみで1時間以上はかかったに違いないが、日本の1000円、10分カットの店にも劣るような時間に見合わない出来であった。

小学生でもストレートパーマをかける
人は髪の毛に関して自分にないものに憧れるものだ
オイ、髪に悪いぞ!


坊主風虎刈りといった仕上がりで、どこをとっても長さが不揃いだったが、頭頂部付近と前髪が少し長めであったのが救いだった。
それにしても、これをヨーロピアンと銘打つのだから、ガーナはヨーロッパをどう解釈しているのだろう。

ただ、正直なところ仕上がりは期待はしていなかったので、髪型の云々など40歳近い身にとってはどうでもいいようにも思えた。

しかし、短くして初めて気づいたのだが、ネットで「ゴマシオ頭」と検索をかけたらかなりの上位に画像がヒットしそうな白髪の量には、まだ40歳前の身にとってさすがにどうでもいいという気持ちにはならなかった。
今回、双子とお姉ちゃんたちが再度登場
髪型もそうだけど、双子が同じ服を着るのは世界共通なのだろう
ぼくは2人で同じ服を着まわした方が経済的なのに、と考えてしまうのだが

昨年の4月、キューバで意図せず髪の毛を短く刈られた経験があった。
その時にも白髪は目立ったけどさすがにゴマシオまでには至ってなかった。

この半年でここまで黒髪が白髪に侵食されたのは、協力隊の訓練所での心労と寝不足が原因だと思われる。
その時には、それなりに長さがあったので目立たなかったのだろう。

それにしても、外国の床屋はどうして客の要望を無視して短く切ってしまうのだろうか。
今でも「早く伸びてくれ~!」と祈る日々が続いており、その執念と自然な成長で何とか少しは伸びてきた。

三つ編みをほどくとこのようになる
そして、今日もおそろいの恰好!

ぼくは、総白髪でも構わないので髪の毛は失いたくないと思っている。
だから、毛を染めるということは髪の毛にとって確実に寿命の低下に至る、戒めるべき行為と考えている。

しかし、このゴマシオ状態はいかんとも許し難かった。

その悩みだけで、白髪も抜け毛も増えそうだったので、懇意になった美容院で染めてもらうことにした。

妹ちゃんたちはお団子に髪型をチェンジ
びっちりと強力な整髪料で固められていた
オイ、髪に悪いぞ!
写真では服装が違うが、この後おそろいのワンピースに着替えている


前回の経験もあって、まず何をされるのかドキドキしていると、顔や耳の周りにクリームなどを塗らず、何もかぶせず、いきなり髪に染料を塗りはじめた。

ガーナの人ならば、肌の色が黒いので染料が付いても目立たないかもしれないが、ぼくは一応「ボウフレ(白人)」と呼ばれる身である。
こういう時にこそ、白人らしく扱って欲しかった。


染めるのが終わると、その後に意味不明のクリームを頭に塗りたくられた。
染髪剤の髪と地肌への攻撃ですら、精神的にも物理的にも良くないというのに、もう気を失いそうだった。
一瞬で染めた髪が白髪になってそのまま抜け落ちそうなくらい怖かったので、これは何かと見せてもらうと、ヘアートリートメントのようなものだった。


それが済むと昔懐かしい美容院にあったおかまのような機械をあてがって温めると、わずかな水で軽く頭を流した。
この国では、美容院で使う水すら貴重なのだ。
日本の美容院で、もういいよって言いたくなるほど延々と洗い流してくれていたのが懐かしい・・・

あられもない格好にさらされる哀れな中年男性
顔の横にある赤いのは日本で冬に使う耳あて
ガーナでは熱さ対策のために耳あてを使うようだ


その後また、クリームソーダのような匂いのする怪しい整髪料のようなクリームを塗られた後、恐怖のダイエースプレー、別名ハゲ養成スプレーでしっかりと仕上げをされた。

おそらく、黒人の髪の毛をセットするにはこのくらい強力なものを使う必要があるのだろう。
この段階では、もうジタバタしても仕方がない、ハゲるならハゲちらかせと開き直ったつもりだった。
でも、本当にハゲちらかったら失意のあまり、任期短縮し帰国を検討するかもしれない。


美容院の女性たち
制服が昔のコーラスグループみたいでかわいい

日本と違って、任地においては美容院に男性がいることは見たことはないが、お姉さんに話を聞くとカットも問題ないと言うので、次回があるのならば美容院に行くつもりだ。

これからアフリカで散髪の予定があって、ある程度の長さをキープして、かつモテたいよ~と考える輩がいるとしたら、女性向けの美容院を強くお勧めする。


美容院では編み込みやエクステの作業をしている光景をよくみかける


ガーナで理美容院に行く行為は、物理的にも精神的にも髪と頭皮に悪いという教訓を得た。
「失って初めてわかる、髪は長~い友達」という古い育毛剤のCMコピーが心底切実に感じた。

自宅で子どもの髪を結っているお母さん

このブログは一応、青年海外協力隊の活動や任地での生活をつづっているつもりだ。

育毛活動の紹介が主となり変わらないためにも、やはり努力は怠らないようにしたい。